【伊勢市】大正3年創業!洋食レストラン「開福亭」の歴史・メニュー・アクセスなどを紹介!
こんにちわ、ケンチェラーラです。
伊勢神宮のお膝元である伊勢市には長い歴史をもつ飲食店が沢山あります。
新道商店街にある洋食レストラン「開福亭」もその一つで、創業は驚異の大正3年。
ステーキを中心とした西洋料理屋で、数々の食通の間でその名が知られており、味は間違いなく天下一品。
その味に魅了された業界人や文化人が数多く通いつめているとのこと。
時代の荒波に流されることなく、開業当初から貫いている開福亭の真髄に迫ってきました。
それでは、ペロペロしていきましょう!
営業 | 11:00-14:00・17:00-19:00 |
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定休日 | 不定休 |
電話 | 0596-28-2952 |
予算 | 1000円~6000円 |
場所 | 三重県伊勢市一之木2丁目5-15 |
備考 | 予約推奨 |
目次
大正3年創業!伊勢の老舗洋食レストラン「開福亭」
1914年、世間は日韓合併条約で騒いでいた最中、伊勢市一之木にオープンした「開福亭」。
お店の歴史は驚異の100年越え。
個人経営の飲食店で100年以上存続しているお店は、幻のポケモン級のレア度ですね。
現在の店主は4代目の下村忠さんで、初代~3代目は曽祖父の新一郎さん、祖母、父と家族代々お店を守ってきたとのこと。
下村さんは、休日が確保されたサラリーマンへの憧れを抱きながら学生時代を過ごしていましたが、家庭の事情で家業を継ぐことになったそうです。
料理人として一人前になるため、調理師学校を卒業後、神戸のレストランで1年の修行を積まれ家業の道に。
開業当初から変わらぬスタンスを貫き、最近ではメディア出演も増えてきたとのこと。
噂を聞きつけた業界人や文化人もお忍びで訪れており、香港やマカオから開福亭に足を運ぶ人もいるとか。
豚・鶏・牛のステーキを中心に提供しており、2週間以上かけて作られるデミグラスソースが一番の売り。
その深いコクと豊かな風味からは積み上げられた歴史を感じることでしょう。
大正や昭和の名残りが強く残るお店なので、現代受けはしないですが、敢えて独自のスタイルを貫いているように感じました。近年では珍しい形態ですが、その強いこだわりに惹きつけられるものがありました。
お店の場所は?
お店は伊勢市駅から徒歩10分、新道商店街の中心部にあります。
近くにはクレープ屋「キリビリ」などがあり、場所的には分かり易いと思います。
駐車場はお店前に5台分確保されているので、車でのアクセスも可能。
基本的に予約なしで来店できますが、仕込みや在庫のこともあるので、「できるだけ予約してほしい」とのことです。
また、電話予約時は留守電に名前や食べたいものなどを一言入れておいて欲しいのことです。
開福亭のメニュー
食事の予算は平均1500円程度で少し高め。
ライスも別途注文する必要がありますが、常連さんはライスの代わりに炒飯を注文するとのこと。
価値の分かる人間のみが手を出せる洋食屋さんという感じでした。
お店の看板メニューは「タンシチュー」で、初回来店時はとりあえずコレを食べておけとの情報も。
ちなみに、注文に迷った時は店主に一声かけるとその日のオススメを紹介してくれます。
ビフテキは4000円越えですが、店主曰く赤字覚悟の値段だそうですよ。
- 牛肉料理
- ビフテキ(4100円~6100円)
- ビーフカツ(2400円)
- 国産ハンバーグ(1250円)
- メンチボール(1400円)
- ビーフシチュー(2050円)
- タンシチュー(2350円)
- 豚肉料理
- ポークソテー(1150円)
- ポークパルメザン焼(1350円)
- ポークカツ(1050円)
- ポークヒレカツ(1350円)
- 鮮魚料理
- 海老フライ(時価)
- 牡蠣フライ(時価)
- 牡蠣のピカタ(時価)
- 鶏肉料理
- チキンカツ(1050円)
- チキンチーズ焼(1150円)
- チキンカレー煮(1250円)
- チキンチャップ(1250円)
- サラダ
- ポテトサラダ(700円)
- メキシコサラダ(800円)
- ロースハムサラダ(950円)
- 米飯料理
- カレーライス(900円)
- カツカレー(1300円)
- オムライス(900円)
- 炒飯(800円)
- ハヤシライス(1200円)
- ライス(200円)
- その他
- ポタージュスープ(550円)
- オムレツ(550円)
店主一人で料理を行っているので、提供には10分~20分程度かかります。デミグラスソースだけでなく、カレーやハヤシライスも時間をかけて仕込みを行っているそうです。大量の野菜やワインなどを加え、毎日少しずつ火をつけて煮込んでいるそうです。
店内の様子は?
2008年12月に大規模な改装工事を行いましたが、開業当初の面影も若干感じられる店内。
お客さんの顔がいつでも見えるようにするために、厨房と客席の間にガラス窓を付けたそうです。
店内はカウンター席、テーブル席の計16席。
小さい空間で、温もりのある接客を受けることができました。
店主はかなりお喋りが好きな方で、話しかけると色々教えてくれました。
接客を担当するスタッフの方の笑顔が素敵で、思わず心が癒されました。
このスタッフさんがは、店主の調理をよく観察している様子だったので、5代目になられるのかと思っていましたが、店主曰く5代目は現在探している最中だそうです。
100周年を記念して作られてTシャツが入り口に飾られていました。
「どうしたらこのTシャツもらえますか?」と尋ねると、「通い続ければもらえるかも」とのことでした。
昔は出前も行っていたそうですが、今は店内飲食のみとなっています。
- 業界人お墨付きの洋食屋
- デミグラスソースが美味すぎる
- お喋り大好きな店主
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食べた感想
「伊勢に来たらこれを食べないといけない」などの口コミを発見し、初めてお店にお邪魔してきました。
多くの有名人が来店しているお店ですが、伊勢市民からの知名度はそこまで高くない印象。
理由としては宣伝をあまり行っていないことが考えられましたが、敢えて昔型の経営スタイルを貫いているようにも感じられました。
その味は如何に。
早速、ペロペロしていきましょう!
ポタージュスープ
美しい湯気が立つポタージュスープ。
数種類の野菜の旨味がしっかり凝縮された味で、その具材の正体は謎に包まれていました。
非常に丁寧に仕事がされているスープで、店主一人で作っているとは思えないクオリティでした。
森の中で遭難した時、ポツンと一軒家を発見。
凍える手を自分の吐息で温めながら、なんとか家の中に招いてもらいます。
しばらくして、優しいおばあちゃんが温かいスープを持ってきてくれます。
一口飲むと全身の疲労、精神的不安などが一気に晴れる。
そんな味のスープでした。
ビフテキのデミグラスソース添え(非売品)
開福亭のお肉は50年以上の付き合いがある業者3社からのみ仕入れを行っているそうです。
仕入れ方法が面白く、肉の見た目ではなく、脂の質を実際に触って確かめているとのこと。
「お肉の美味しさは脂の質が命」という初めて聞く理論。
群馬県、宮崎県の和牛が多いそうですが、常に最高のお肉を提供するために時折産地を変えているそうです。
通常、お店で提供されるビフテキは塩コショウだけで味付けされているそうですが、今回は特別にデミグラスソースを使ったステーキを食べさせてもらいました。
普段は食べることができないので、今回は食べた感想のみを紹介させていただきます。
値段は公開できませんが。
肉の表裏で焼き加減は異なり、カリッとした面とジューシーな面の二つの顔がありました。
仕上がりは極めてレアよりで、肉本来の旨味をしっかり楽しむことができました。
フォークを軽く入れると、ホロホロとほぐれていくお肉。
上質なお肉に完璧な火入れをすると、このような完成体になるのでしょうか。
毎日煮込み続けているというデミグラスソースは、野菜のエキスがたっぷり入っており、香り付けとして赤ワインと思われるアクセント。
店主は海外旅行に行っていても、お店で寝かしているソースが味落ちしないか気になって仕方がないと仰っていました。
昔ながらの仕事を日々着実にこなす料理人魂を感じました。
手作りのマヨネーズで作られたポテトサラダなども創業以来の調理法を忠実に受け継いでいるそうです。
ビーフシチュー
お店の看板商品であるタンシチューの次に人気のあるビーフシチュー。
タンシチューは売り切れになることが多いので、その代替品としては最高の一品。
開福亭特製のデミグラスソースにワインなどを加え、口当たりまろやかな仕上がりとなっていました。
ソース作りには2週間かかっているそうです。
お肉は牛バラ肉を使用しており、かなり脂身が多い印象。
もちろん和牛を使用しており、上質な脂が口の中でフワッと広がります。
脂好きの私にとっては、最高の一品でしたが、苦手な方にはドシッとくるかもしれません。
これだけ濃厚な脂身を感じたのは久しぶりでした。
ハヤシライス
店主曰く、ハヤシライスが一番作るのが難しいそうです。
今まで紹介してきた料理は全て純デミグラスソースにワインなどを加え、多少味を変化させていましたが、ハヤシライスは純正のソースを使っているので、味の誤魔化しがきかないとのこと。
店主が忙しい時は作れないので、食べることができない日が多いため「幻のハヤシライス」とも称されているそうです。
玉葱の食感がしっかり感じられ、喉に絡み付くような濃厚なソース。
このレベルのものは、なかなか家庭では食べることができないと思います。
仕込みによって毎度若干味が変わるそうなので三回食べて「開福亭のハヤシライスはコレか!」と納得していただきたいとのことです。
カレーライス
ハヤシライス同様に非常に濃厚なカレーライス。
ゴロゴロとしたお肉がたっぷり入っており、スプーンで掬い上げるだけで分かる濃厚さ。
かなり本格派のカレーでしたが、個人的にはハヤシライスの方が好きです。
炒飯
ステーキやビーフシチューと一緒に注文する人が多いという炒飯。
シンプルな盛り付けですが、具材は一般的なお店に比べてかなり大きくカットされていました。
ご飯はパラパラというよりは、少しシトシトした感じ。
あまりに美味しかったので、ペロリと完食してしまいました。
お肉との相性が想像以上に良くて驚きました。
ポークパルメザン焼
ビフテキは高くて手が届かない時は、豚肉に逃げましょう。
豚肉も店主自らが厳選したものを取り扱っており、分量は少ないものの、その味は確かなものでした。
表面はカリッと、中はしっとり。
絶妙な火加減で焼き上げられたもので、とてつもなく美味しかったです。
お店の閉店後に珈琲をいただき、いろいろお話を聞かせていただきました。
商売ではあるが、お客様とのご縁や来ていただいたことに対する感謝の念が強い店主。
非常に情深い方で、ついつい長話してしまいました。
ありがとうございました。
- 満足度:☆☆☆☆
- 味:☆☆☆☆
- 一言:デミグラスソースがヤバいぜ
開福亭様、最高の食事をありがとうございました。
ごちそうさまでした!
開福亭のまとめ
偶然お邪魔したお店でしたが、店主と話しているうちに意外なご縁があったことに驚きました。
料理の値段は高めですが、舌を肥やしたい方は食べておいた方がいいものが沢山ありました。
歴史的には伊勢でトップクラスに長いお店なので、これからも末永く商売繁盛することを願っております。
店主は本気で後継者問題に直面している様子だったので、料理人を目指される方は是非(笑)
余談ですが、開福亭の店主は伊勢市駅前に人気パン屋「とんちん」の店主のお兄さんだそうです。
兄弟そろって飲食店経営、憧れますね・・・。
最高のペロペロでした!