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【伊勢市】完全予約制の高級鮨「貫」に行ってきた!2万円のコース一本勝負|メニュー・駐車場

公開日:2022年01月05日

こんにちわ、ケンチェラーラです。

伊勢市で最も高級かつハイクオリティな鮨屋「貫」に行ってきました。

オープン当初からずっと行きたかったお店で、特別な日に最高の食を味わいたいと考え、お邪魔させていただきました。

三重県では稀にない20000円のコース一本勝負で、時間指定の完全予約制のお店。

目の前で繰り広げられる職人技を思う存分堪能してきたので、その魅力を皆様にもお伝えできればと思います。

それでは、ペロペロしていきましょう!

お店情報
営業 18:00~22:00
定休日 日曜日
電話 0596-23-3391
予算 20000円~
場所 三重県伊勢市吹上1-7-5-202
備考 予約可 ・ カード可 ・ 電子マネー可
リンク 貫 公式HP




完全予約制!伊勢市に高級鮨「貫」とは?

2018年10月8日、伊勢市にオープンした鮨屋「貫(かん)」

三重県では数えるほどしかない高級鮨屋で、都心にある高級店と同程度のハイクオリティな握りを味わえるお店です。

時間指定式の完全予約制のお店なので、電話または食べログから予約必須。

伊勢では間違いなく頭一つ飛び出たお店で、経験を買うと思って、人生で一度は行ってみた方がいいと思います。

三重の食通の間では、かなり名の知れたお店で、開業4年目にして知名度がかなり上がっているように感じます。

これまで三重県で食べた握りの中では、断トツで一番美味しかったです!東京で食べた、職人魂と・仕事を物語る”本物の鮨”を三重で味わえたことに感動しました。

数店舗の鮨屋で修業!貫の大将「宮原健輔」

貫で鮨を握るのは、ニッコリ笑顔が素敵な大将の「宮原健輔」さん。

宮原さんは、伊勢市出身で東京・愛知で修業を積み、2007年に開業した伊勢の鮨屋「伊な勢」や「笹山」で技術を体得。

長年の修行で身に着けた技術を礎に、独学で唯一無二の握りに辿り着いたそうです。

まさに守破離を体現した職人さんで、決して猿真似はできない鮨に対する想いを持たれた方です。

「周りの目を気にせず、誰が何を言っても我が道を。」と真剣な表情で話してくださり、その言葉の重みからは「貫」という店名の由来が垣間見えますね。

職人的な性格も持ち合わせている印象でしたが、首元に光る蝶ネクタイはお客様からもらった可愛い寿司柄のもので、お茶目な側面も・・・(笑)

九州の照寿司の大将「渡邉貴義」が頭によぎりますね。

一貫一貫、懇切丁寧に握ってくれ、時間はたっぷりあるので、大将とゆったり話す中で、是非いろいろ質問してみてください。

余談ですが、私と同じ名前なので親近感がありました・・・。

存在感の強い!こだわり抜いたシャリ

貫のシャリは、2種類の米をブレンドし、3種類の酢で仕上げたもの。

上品な酢の香りが強く、ふわっと口の中に広がるのが特徴。

やや塩気もあり、ネタを引き立てる硬めの握りとなっていました。

酢は京都から仕入れているもので、鮨屋しか購入できない上等品だとか。

白米の炊き込みには、伊勢市剣峠の麓から湧き出ている聖水を使用。

ネタは全国各地から!鮮度ではなく旨味をとった「熟成」

ネタの仕入れは、三重県内だけに囚われることなく、全国各地から行っています。

地元産の新鮮な素材も使用しますが、この辺りで獲れない食材は各地の市場から取り寄せているスタンスですね。

ネタは基本的に、魚を締めてすぐに提供する鮮度重視ではなく、旨味成分を引き出す熟成重視。

活きた状態で魚を仕入れて、大将自らが血抜きを行い、個体ごとの食べ頃を逆算して寝かせるそうです。

鮮度より旨味をとった熟成鮨は、手間暇がかかるため、田舎では滅多に口にできません・・・。

特に三重県は海に面していることもあり、鮮度を命とした鮨屋が多いのが実情ですね。

また、通常は仲介人と呼ばれる人が市場で血抜きを済ませた状態で、飲食店に魚を卸すのが一般的ですが、このお店の大将は漁師さんから直接購入しています。

「食は科学であり、常に進化する。自分が最高と考える仕込みを行う」と仕事を全て引き受ける職人魂が感じられますね。

仕事抜きで握る寿司は「刺身ご飯」と呼ぶ・・・という店主のジョークには爆笑しました(笑)

伊勢志摩備長炭で仕上げる炙り

最後に、貫の特徴の一つに「伊勢志摩備長炭」を使用するというものがあります。

伊勢志摩備長炭と言えば、南伊勢町のマモル製炭所などが有名で、ウバメガシを材料として作られ、不純物が少ない炭素率95%以上の最高級の備長炭。

火加減も調整しやすく、遠赤外線の効果で外は焦がさず、食材をふっくら焼き上げることができる代物。

貫のコース料理の中で、何度も登場するこの備長炭。

備長炭で焼き目を付けることで、風味が引き立ち、素材の旨味が溶け出すとか。

熟成鮨をただ提供するだけでなく、地元の良さも織り込んだ独創性のある食。

まさに、三重県に寄り添った芸術作品と言えるでしょう。

貫の秘密情報

貫では、現在1名のお弟子さんが修業中。お客さんはあくまでも店主の握りを食べに来るので、絶対に弟子の握りは提供することはないそうですが、常連客になると弟子の鮨も食べれるとか!?

貫へのアクセス・駐車場・営業時間

お店は宇治山田駅と伊勢市駅の中間地点にあるウィークリーマンションの2階にあります。

両駅から徒歩4分程度なので、電車でのアクセスも可能。

駐車場はお店が入っているビルの裏手に5台分ほど確保してあります。

営業時間は、2022年1月から18時~または20時30分からの2部制となりました。

完全予約制なので、事前にどちらかの時間で予約を済ませておくようにしましょう。

店内の様子は?

ビルの2階に上がり、長い廊下の先に見える入り口。

白を基調とした落ち着いた雰囲気で、今から待ち受ける芸術との対面に向けての心の準備を。

店内はカウンター6席のみで、木材とレンガを使った温かい色合い。

以前はお座敷やテーブルもあったそうですが、今年から完全にカウンター席のみに業態を変更。

テーブルの一枚板は、松阪市飯南町のヒノキを使用。

この日は、店主と女性店員さん1名でのオペでした。

正面には正覚寺の住職が揮毫した「貫」の文字が彫られたケヤキの看板。

迫力ある文字体とお店の雰囲気に圧倒されないように注意しましょう。

仕事道具も丁寧に手入れされている様子でした。

また、食事に使用する箸は数種類の中から選択する制度。

日本酒の徳利も同様に、自分好みのものを選ぶことができました。

あとは、目の前で繰り広げられる職人技をじっくり見学するのみ。

常識の範囲内での会話は難なくすることができ、リラックスして食事を楽しむことができました。

 

貫のメニューを紹介

握り
オススメ・麦酒・焼酎など
日本酒・ワイン・ドリンク
  • 握り
  • おまかせコース(20000円)
  • おすすめ
  • 藁焼き
  • 薄造り
  • 刺身
  • 塩焼き
  • 茶碗蒸し
  • 一口茶漬け
  • うにつまみ
  • 自家製カラスミもち
  • バチコつまみ
  • 岩もずくの酢の物
  • 白エビ唐揚げ
  • サメの心臓
  • 卵焼き 一本
  • バラちらし
  • 特上バラちらし
  • 煮穴子重
  • ※価格は要相談
  • 日本酒
  • 寳劔(1000円)
  • 而今(1000円)
  • 八兵衛(1000円)
  • 田光(1000円)
  • 田中六五(1100円)
  • 田酒(1100円)
  • 飛露喜(1100円)
  • 七本鎗(1100円)
  • KINO(2500円)
  • NO.6(2800円)
  • 白隠政宗(1100円)
  • 日本酒ペアリング(2500円)
  • アルコール各種(上記画像参照)

2022年1月からメニューが改定され、現在は20000円のコース料理一本勝負。

最高のパフォーマンスを発揮するために、座席数を減らして値段を高くしたとのことです。

基本的にコース料理で満足できる分量ですが、少し物足りない時は「おすすめ」の一品料理を注文すればいいと思います。

ただし、注文の際に値段は聞いておいた方がいいかと・・・。

雲丹に関しては、つまみで1万円する高級品でした。

お酒を飲む場合は、一人あたり25000円程度の予算はみておきましょう。

おすすめ一品料理の中には、恐ろしい値段のものありますが、お手頃なものもあります。まずは、気軽に大将に質問してみましょう。そして、高級鮨には、やはり日本酒がオススメ!

今回食べたものを紹介!

自分にとっては特別な日に、一生の思い出にするために訪問。

会計は2人で35000円程度でしたが、それ以上の経験を買うことができました。

お待たせしました、ここからはフルコースを紹介させていただきます。

早速、ペロペロしていきましょう!

つまみ

金目鯛の頭でとった出汁。

相当に詰められているのか、旨味がギュッと凝縮されている印象。

雑味もなく、一品目からハイクオリティで期待が高まります。

4日寝かした、三重県産のクエ。

部位は腹を使っており、塩でサッと締めた感じ。

適度な食感があり、旨味成分であるアミノ酸がしっかり感じられました。

同じく三重県産クエの背の部位。

伊勢志摩備長炭で表面を軽く炙ってあり、炭の香りがふわっと。

なんて上品なつまみなんだ。

延縄で獲った、岩手県産の鮪。

目を見張る赤身の美しさで、適度に脂ものっています。

”いいネタ”がどうかは、マグロが一番確かめやすいかと。

ここの鮪は、文句なしに相当いいものを仕入れていると思います。

長崎のノドグロ。

提供直前に藁で軽く炙ってくださり、店内に充満する幸福の香。

味醂は不使用で、玉ねぎの甘味と醤油のコクがしっかり。

思わず笑みが零れる美味さでした。

ここで少し変化球。

クリームチーズのレンコンすり潰し。

超熱々の状態で提供され、温度が高いためかチーズの風味が非常に立っていました。

伊勢志摩で獲れた初物、真珠貝の焼き。

こちらも表面を軽く藁で炙ってあり、何とも素晴らしい香りを纏っています。

基本となる味付けはなしで、素材をそのまま味わう感じ。

付け合わせの塩がありましたが、強めのコリコリ食感の身から溢れ出る海脂で十分でした。

シンプルが一番ですね。

北海道函館からやってきたタラの白子。

温度が高めで、咀嚼すると溢れ出すクリーム。

ねっとりとしたクリームと表面の光沢。

香り付けには、柑橘系の粉末。

これはエロい。

津の香良洲で獲れたハマグリ。

揚げたての熱々状態で、サクッとした噛み応え。

透き通るような貝汁が噴き出してきました。

天麩羅屋も開業できますね。

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握り

さて、ここからは待望の握りの紹介。

まずは、水に浸すと膨れるおしぼりがやってきます。

酸味が強めのガリ、酢が効いたレンコンが付け合わせ。

丁寧に仕込みされている印象。

1週間熟成の三重県真鯛。

握りが非常に丁寧で、美しい光沢とネタの丸み。

シャリはブレンドで赤酢が強め、塩気もややありますが、砂糖は不使用。

香りが立ち、存在感のあるシャリで、硬めに炊かれた米粒はどのネタとも相性抜群。

熟成による旨味がギュッと詰まっており、かなり柔らかいネタ。

硬めのシャリに、柔らかいネタが特徴的でした。

三重県産サヨリ。

包丁仕事が光る丁寧な握りで、ビジュアルが本当に美しい。

大将の手間暇が垣間見える渾身の一貫。

アジ。

葱の風味がいいアクセントとなり、硬めのシャリと三位一体状態。

1ヵ月熟成のシロカワカジキ。

秋ごろにかけて獲れるカジキ類では最大の大型魚。

マカジキ、クロカワカジキと比較しても群を抜いて高級な魚です。

薄めの赤身が特徴で、本マグロ級の脂。

寝かせることで、丸みを帯びた脂と旨味が舌の上でじんわり広がる感じ。

これが、熟成の真骨頂かと頭を叩かれた気分。

本マグロのトロより、この脂の方が個人的には好きかな。

網縄で捕獲された大間の中トロ。

言葉はいらない流石のネタクオリティ。

甘味と香りのダブルパンチで、脳内は鮪で一杯です。

九州産のコハダ。

鮪が江戸前の華ならば、コハダは真打ち。

塩振り、塩抜き、酢漬けなど丁寧な仕事から生まれる芸術。

包丁仕事も丁寧で、シャリとの馴染みが素晴らしかったです。

シャリに負けじと主張するネタは、他に比べて幾分存在感がありました。

ボタンエビ。

低温の水で身を締めているのか、かなりド直球な甘み。

絶妙な丸みが美しいですね。

金目鯛。

ここでやってきた高級魚。

トロッとした口あたりで、さっぱりした味わい。

喉奥にスルっと入っていく感じ。

三重県鳥羽産のサワラの漬け。

じんわりとした甘みが至高の美味さ。

サバの海苔巻き。

藁で炙ったサバを、丁寧に目の前でノリを巻いてくれます。

素朴で上品な焼き目からは、嗅覚を強烈に刺激する藁の香り。

海苔も巻く前に丁寧に味見されており、湿度管理も完璧。

株式会社ウエケンの穴子を使用。

ウエケンと言えば、豊洲で名の知れた業者で、穴子の目利きでは右に出る者がいないほど。

鮨屋でウエケンステッカーを見かけたら、だいたい穴子が出てきます。

しかも格段に美味しいです(笑)

熱々ホロホロの状態ですが、身崩れすることなく、美しい見た目。

口に入れた瞬間溶けだし、最高の旨味が・・・。

脳裏に強烈に釘を刺す、最後の一貫にふさわしいネタでした。

お味噌汁。

香り立つ上品な味。

余韻に浸りながら、口の中を整理整頓。

追加で雲丹のつまみを注文すると、「このお店で最も高級で、お値段10000円ですが、大丈夫ですか?」の一声。

お酒が入り、思わず「はい!」と叫びそうになりましたが、ぐっと堪え注文したのが、「一口茶漬け」。

長崎ののどぐろを使った出汁茶漬けで、ぐちゃぐちゃに混ぜてからいただきます。

余ったお出汁とあおさを合わせて、最後の〆。

もう大満足です。

日本酒

広島県宝剣酒造の寳剱(ほうけん)。

純米で、香りが立つ味わい。

福島県廣木酒造の飛露喜(ひろき)。

今風の芳醇な膨らみがあり、非常に飲みやすい日本酒。

  • 満足度:☆☆☆☆☆
  • 味:☆☆☆☆☆
  • 一言:三重県南部で断トツ。

貫様、最高の食事をありがとうございました。
ごちそうさまでした!




貫に行った感想

三重県伊勢市にある鮨屋「貫」。

田舎平民である私にとっては、敷居が高いお店でしたが、これからも様々なお店に経験を買いに行って、少しずつ味が分かるようになっていきたいですね。

お寿司は日々進化していく生物で、伝統と最新技術との折衝は少なからずありますが、自分が鮨に何を求め、何で納得するかを再考する機会となりました。

また、大将のように私も自分の信じる道を貫けるように頑張ろうと思いました。

宮原さん、最高の経験と食事をありがとうございました。

今後も益々のご活躍を期待しております。

本日も最高のペロペロでした!