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【博多】「博多水たき元祖 水月 本店」完全予約制・究極の博多グルメ!?明治38年創業の老舗|メニュー・食レポ

公開日:2023年08月07日

こんにちわ、ケンチェラーラです。

福岡県福岡市中央区にある「博多水たき元祖 水月 本店」に行ってきました。

博多グルメと言えば、明太子、豚骨ラーメン、そして水炊きということで、今回は数々のメディアで引っ張りだこの超人気店である水月の魅力をご紹介します。

水月は創業明治38年の老舗で、水炊きの発祥のお店とも言われています。

完全予約制にも関わらず、業界の著名人や博多を訪れる観光客から絶大な人気があり、市内には軒を連ねる水炊きの名店の中でも、頭一つ飛び抜けた存在。

今回は実際にお店に潜入してきたので、食レポ・お店の特徴などを詳しく掲載させていただきます。

それでは、ペロペロしていきましょう!

お店情報
営業 17:00~22:00
定休日 平日の月曜日・年末・年始・お盆
電話 092-531-0031
予算 5000円~
場所 福岡県福岡市中央区平尾3丁目16-14
備考 予約可・カード可
リンク 博多水炊き水月 公式HP




完全予約制・究極の博多グルメ!?明治38年創業の老舗「博多水たき元祖 水月」とは?

1905年(明治38年)、福岡県福岡市にオープンした「博多水たき元祖 水月」

博多グルメとして人気を集める”水炊き”発祥のお店と言われており、一度は行ってみたい完全予約制の老舗で、地元民で知らない人はいない名店です。

水炊きとは、素材を水のみで煮る調理法に由来し、あらかじめ取った出汁を用いる場合でも、 醤油 や 塩 などの調味料は加えないのが特徴。

九州では鶏肉を取材とした水炊きが主流で、関東や関西、地区によってその味に大きな違いがあります。

水月の水炊きは、鶏と野菜の旨味を最大限引き出し、余計な物は一切加えず、素材本来の味を引き立てるのが特徴。

素材ひとつひとつが味を左右するため、厳選された素材をふんだんい使用し、膨大な手間暇をかけて仕込まれています。

その歴史の始まりは118年も遡り、水月の初代料理長となる林田平三郎は長崎で生まれました。

まだ日本に海外文化が浸透していない明治30年、15歳で単身香港に渡り英国人の家庭に住み込みを行い。 西洋と中華の世界二大食文化を前に、平三郎は調理法の習得に日々明け暮れていた。

ある日、西洋料理の「コンソメ」と中華料理の「鶏を炊き込む」という西・中の”スープ料理”をなんとか日本風にアレンジできないものかと、平三郎は考え、 帰国後、さっそくその技法をミックスさせ、博多人の口にもっとも合う味を試行錯誤した。

そんな中、仕入れたニワトリの足の裏に硬さの違いを知り、山奥の硬い地面で育った鶏と海岸の砂地で育った鶏を一緒に料理しては、肉の柔らかさにムラが出来ることに気付く。

そこで鶏は九州の鶏の雄だけに限定した。戦前は貨車で取り寄せ「水たき列車」とも呼ばれていたそうだ。

自身が求める味に出会えるまで様々な紆余曲折を経、平三郎はついに明治38年、「博多水たき」を創業。

現在はそのご子息に当たる林田三郎さんが今も尚、あの頃の味を守り続け、変わらぬ味をお客様にご提供しています。

初志貫徹、100年以上もの間、水月の味は変化していません。まさに一子相伝の味とも言え、博多グルメを語るには絶対に食べておきたいグルメの一つでしょう。

お店へのアクセスと駐車場について

お店は福岡県福岡市中央区平尾にあり、福岡天神よりタクシーで10分、博多的から15分ほどで到着します。

最寄り駅は西鉄大牟田線・平尾駅で、歩約12分程度の距離となっています。

事前の予約が必須で、土日祝時は満席になることも多々あるので、お日にちに余裕をもって電話を入れておくようにしましょう。

ちなみに、予約時間に遅れる場合は必ず連絡が必要とのことです。

駐車場はお店前に3台分確保されていますが、満車時は近くのコインパーキングを利用するようにしましょう。

店内の様子は?

お店の外観は老舗感が前面に出ており、なかなか良い雰囲気が漂っています。

当初は博多の土手町にあったそうですが、現在はこの地で長年営業を続けています。

入店すると仲居さんが出迎えてくれ、各座席まで案内してくださります。

1階には小上がりのお座敷が30名分、2階は3~6名向けの個室が1室、16人~40名向けの大広間が1室完備。

座席につくと、基本的に仲居さんが全て調理をしてくださるので、自分たちのペースでゆっくりと食事を楽しめばよいでしょう。

食事中は仲居さんと世間話を挟みながら、ワイワイと食べ進めていきます。

心配りが非常に丁寧な接客で、大変気持ちよく至福の一時を過ごすことができます。

調理に関しては、3代目、そして修業中であるという4代目が担当されているとのことで、出汁取りなどは林田家のご子息の方が行っているそうです。

 

水月のメニューを紹介

  • 元祖水たきBコース(5300円)
  • 元祖水たきAコース(6300円)
  • 元祖水たきフルコース(8300円)
  • コース追加分(2500円)
  • 小鉢セット(2200円)
  • 一品料理
  • もも唐揚げ(1500円)
  • チキングラタン(800円)
  • とり皮酢(500円)
  • 肝甘露煮(1200円)
  • もも塩焼き(1600円)
  • 本日の小鉢(500円)
  • 各種アルコール・ソフトドリンク(※上記画像参照下さい)

メニューは極めてシンプルで、3種類のコース料理と6品ほどの一品料理のみ。

基本的にはコース料理となっていますが、小さなお子様には、単品で鶏唐揚げ、もも塩焼、肝甘露煮もございます。

通常のお鍋は骨付き、ミンチの半々になっておりますが、骨付きのみ、ミンチのみでの注文も可能。

10名様以上の団体様は2時間限定飲み放題などのオプションもあるとのこと。

3代目のお母さんが、酒蔵の出身の方ということもあり、珍しい日本酒も置いてありました。

食事は飲み代を含めると5000円~10000円程度の予算となるでしょう。

コース料理は90分~120分ほどの食事時間でした。途中で具材に追加注文も可能なので、お気に入りの具材があれば、仲居さんに言って準備してもらいましょう。

今回食べたものを紹介!

今回は三重県から飛行機で遥々出張編ということで、博多グルメを堪能してきました。

関西地方では、これだけシンプルで鶏をベースにした水炊きは口にすることは少なく、地域による食文化の違いを痛感しました。

水月の近隣には、水炊きの名店と称されるお店が数多くあるのですが、やはり”発祥”は押さえておきたいところ。

店によって味に違いは出てくるそうですが、シンプルを追及したのが水月との口コミ。

今回は「元祖水たきBコース(5300円)」でお願いしました。

早速、ペロペロしていきましょう!

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季節の小鉢

入店すると、来店時間に合わせて卓上に具材や鍋は準備済。

完全予約制なのはスープの仕込みの関係からとのことで、フードロスを極力減らす素晴らしい取り組み。

まずは、季節の小鉢ということで豆乳のお豆腐。

あっさりした味わいで、刺激の優しい山葵と一緒にいただきます。

今から始まる鍋コースに向けた腹準備ですね。

季節の小鉢

お次は丁寧に仕込まれた出汁をベースにした煮物。

季節性のある筍を使用し、優しい出汁のコクと風味がお出迎えといったところ。

和食の極み付けはこれに限りますね。

とり皮酢

一品料理の中でも一際、目を引くこちらのとり皮酢。

細切りにカットされた鶏皮を優しい味の酢、薬味で味を調えたもの。

こちらも無駄なものは一切入っていない様子で、少量ですが研ぎ澄まされた一品。

この時点で、もう日本酒の勢いは止まらなくなっていました。

ちなみに、水月に支店がない理由は、「水たきは繊細な味の伝承がないと、本物の元祖博多水たきをお客様にお出しできない。」という初代の想いがあるからとのことで、店舗を増やして店を大きくする事より発祥の店として暖簾と味を守り続けることを優先させているからだとか。

ネット通販には販路を広げる水月ですが、当初の想いや考えを今も尚、しっかり守り続ける圧倒的な老舗の貫禄。

酒が美味い。

水たき

お待ちかねの「水炊き」の出番です。

鶏は九州産の主に生後数ヶ月の南九州産の若鶏を使用。

鶏肉は他の肉に比べると鮮度が落ちやすいので、とにかく新鮮な素材を使うこと大事で、若鶏を使用する理由は、大人の鶏だと肉が固すぎ、小さすぎるとスープのコクに欠けてしまうからだとか。

予約状況によって、毎日開店前に仕込みを行っているそうで、たっぷりのお水に鶏のみを入れて2時間煮込み、その後2時間冷ましてコラーゲンや旨味成分を出汁に浸み込ませた代物。

水炊きには塩、味噌、醤油味など全国各地によって、様々な味がありますが、ここでは鶏をベースにしたコンソメ風。

ステンレス製の鍋にたっぷりの鶏が入った状態で、これほどシンプルですが、完成された出汁があろうか、否。

まずシンプルな鶏スープにお塩と小ネギのみで。

鶏の出汁がスッと鼻尖を駆け抜け、全く雑味や臭みのない素晴らしいパンチ。

限られた食材のみで、この味を再現できるのことが衝撃でした。

お次は、出汁で軽く火を通した野菜。

鍋物は白菜を使うのが主流ですが、水月の水たきはキャベツを使用。

なぜ白菜が主流になっているのかというと、多くは鍋は出汁にいろいろな塩分を加えているので、食べている間に煮つまり塩辛くなってしまいます。

その塩辛さを水分の多い白菜が薄める役割がありますが、同時に野菜の歯ごたえや旨味成分が逃げてしまいます。

しかし、水月の場合、元々のスープが鶏のうま味だけで味付けしているので、長時間火にかけても煮つまり過ぎることはなくキャベツを使うことができ、野菜本来の歯ごたえが楽しめるからだとか。

確かに、キャベツの食感を損なうことなく、完璧に出汁の旨味をコーティングした感じ。

ポン酢のレベルも非常にはハイレベルで、水月では糸島の12月~1月の厳しい寒さの中で育った”だいだい”を手絞りし、1年寝かせて甘みを引き出し、醤油を合わせているそうです。

季節によって酸味の度合いを見極めながら、微調整を行うほどのこだわりがあるそうです。

鶏肉は、まさに溶けるような旨味。

全く動物臭さがなく、舌で租借できる圧巻の柔らかさ。

これは、本当に普段食べる鶏肉と同じ肉なのかと思うほど、衝撃的な美味しさでした。

そして、鍋の名脇役である薬味にもこだわりがあり、水月では薬味として柚子胡椒とお塩の2種類を準備。

香り高く新鮮な柚子を使用した柚子こしょうと、天然にがりの風味を持つ塩。

好みに応じて加えながら食べ進めていくのですが、驚くくらい出汁の顔色が変わるので、是非途中で適量入れてみてください。

この日、一番感動したのがコチラのミンチ(つくね)。

食事も進み、1時間ほどが経過したのですが、まずこの段階でスープに大きな変化がみられるようになります。

野菜や鶏の塩気、旨味をさらに吸ったスープは、一番最初にいただいたものは、まるで異なる味になっています。

本当に同じものなのかと疑うほどで、さらにコクの階層が深くなっている感じ。

出汁の変化球と言わんばかりの味変で、これも楽しみ方の一つなのでしょう。

ミンチは究極の柔らかさで、あまりに美味しいので、仲居さんにレシピを聞いたのですが企業秘密とのこと。

コリっとした食感のミンチで、鶏の旨味がギュッと詰まった感じ。

この口当たり、風味、味、全てにおいてコレを超えるミンチに出会ったことはありません。

ミンチ一つでで、まさかこれほど感動することになるとは思いもしませんでした。

食後は、締物ということで定番のおじや、または素麺の地獄炊きの2種類から選択。

この日は博多ラーメンが、この後に待ち受けていたので、さっぱりした素麺をチョイス。

鍋に素麺を入れるという、一風変わった味が楽しめる地獄炊き。

常連さんの多くは、おじやではなく素麺で締める人が多いそうです。

少し固めに茹で上げた素麺は、一度食べたらやみつきになりそうな美味しさ。

最後の最後まで、非の打ち所がない旨さでした。

是非、関西地方にも出店してほしいですね・・・。

お店全体の印象としては、長い歴史の中で、味や提供スタイルを変えない姿勢に感動しました。

また、100年以上もの間、この味が大衆に受け入れられ、今も尚、人々にこの感動を届けられる名実ともに確かな実力。

脱帽ですね。

  • 満足度:☆☆☆☆
  • 味:☆☆☆☆☆
  • 一言:シンプルだが究極体の水炊き

水月様、最高の食事をありがとうございました。
ごちそうさまでした!




博多水たき元祖 水月に行った感想

今回は福岡県にある「博多水たき元祖 水月 本店」に行ってきました。

水炊きの聖地というのは事前に下調べが済んでいたのですが、まさかこれほどの食が九州にあるとは驚きです。

初代・林田平三郎氏が考案した究極とも言える水炊き、これから先もその伝統を重んじながら末永く食を通して人々に感動を届けていただきたいですね。

普段は三重県グルメばかりですが、この感動を求めて全国の名店にも、まだまだ足を運ぶ必要がありますね。

素晴らしい感動をありがとうございました。

本日も最高のペロペロでした!