【松阪twlv】完全予約制×紹介制。物語と五感で味わう“一夜限り”のエンタメレストラン体験

こんにちは、ケンチェラーラです。
「完全紹介制」──それだけ聞くと少し敷居が高い印象を受けるかもしれません。
三重県松阪市にあるエンターテイメントレストラン「twlv(トゥエルブ)」は、その言葉の意味を根本から覆してきます。
ここで体験できるのは、単なる“食事”ではなく、時間・空間・記憶を五感で味わう一夜限りの芸術。
今回は、そんな「twlv」に潜入することができたので、料理・空間・演出に込められたオーナーの哲学、そして実際に訪れて感じた驚きと余韻まで、ケンチェ飯の目線で徹底的にレビューします。
それでは、ペロペロしていきましょう!
| 営業 | 不明(完全予約制) |
|---|---|
| 定休日 | 不定期開催 |
| 電話 | 非公開(紹介制) |
| 予算 | 20,000~39,999円/人(変動) |
| 場所 | 三重県松阪市中央町39-7 |
| 特徴 | 完全予約制・イノベーティブ料理 |
| 最寄り駅 | 松阪駅から約538m |
| リンク | 食べログ:twlv(トゥエルブ) |
目次
人生で一度は体験したい松阪の完全紹介制・完全予約制エンターテイメントレストラン「twlv(トゥエルブ)」

三重県松阪市の中心地から少し離れた、静かな場所にひっそりと佇む「twlv(トゥエルブ)」。
ここはただのレストランではありません。紹介制かつ完全予約制の、一夜限りの食体験を提供する、全国でも他に類を見ない“体験型エンターテイメントレストラン”です。
このユニークな食空間を手がけるのは、「だるまや」「ドーナツのBOUQUET」「中川氷菓店」など、松阪市内外で複数の飲食ブランドを展開するシティホールディングス代表・中川社長。
お話を伺った際には、「twlvを通して、三重の食文化と人をもっと深く知ってほしい」という熱い想いを語ってくれました。
何よりの特徴は「専属シェフなし、毎回変わる“食のプロ”によるコラボレーション」。

オーナーの中川社長とその日のシェフが事前に入念な打ち合わせを重ね、当日に来てくださるお客様のために至高のフルコースを考案されるそうです。
ゲストは料理だけでなく、シェフの哲学や物語にまで触れられる仕掛けになっています。
これまで参加したのは、三重県を代表する名店の料理人たち。
- 私房菜きた川
- シャトー ラ・パルム・ドール
- すし処やま幸
- すし貫
- すし処君家
- 黒がね
- とばり
- 東京大寿司の大将
など、ジャンルを問わず全国レベルの料理人が集い、twlvの舞台で腕を振るってきました。
たとえばこの日の企画は、「タベルナケンタ」さんによる【MATSUSAKA GOURMET】。
松阪牛・松阪豚・松阪鶏という、松阪を代表する3大食材が揃い踏みし、まさに“松阪の美味のすべてを一夜で味わえる”圧巻の内容でした。
店内の様子は?
松阪市の一角、看板も控えめな扉を開けると、そこからは日常とはまったく異なる空間が待っています。
照明はあえて抑えられ、薄暗い店内には、静けさの中にほんのり漂う香ばしい香りと、これから始まる物語への期待感。
足元を慎重に確かめながら階段を上り、2階へと向かいます。
そこには柔らかな間接照明に照らされた小部屋があり、ゲストたちはその空間でソファに腰掛け、静かに開演の時を待ちます。
スタッフが一人ひとりに丁寧に声をかけ、時間になると名前入りのプレートが置かれた席へと案内されます。
メインダイニングは、厨房を囲むように配置されたコの字型のカウンター。店内の席数は、たったの12席。この限られた空間に、全国からグルメ好きを唸らせる人たちが集まります。
その中央に立つ料理人の所作や、素材が火にかけられる音、立ち上る湯気までもが、舞台演出の一部です。
しかし着席直後、ゲストの目の前はカーテンで閉ざされており、舞台はまだ“開幕前”の静けさを保っています。
この演出が、twlvの真骨頂。
ただの食事ではなく、まるで“劇場”のように幕が上がり、物語が進行していく構成。「いま、自分は特別な世界の中にいるんだ」と直感的に感じさせてくれます。
照明、音楽、香り、インテリア、すべてが一つの演出作品として構成されており、その空間に身を置くだけで心が高揚するような不思議な感覚に包まれます。
- ゲストの反応を見ながら、料理や演出がリアルタイムに調整されていく感じでした。
- 器や盛り付けのひとつひとつに、ストーリーと意図が込められており、食べる瞬間だけでなく、その“前後”の演出までもが記憶に残る仕掛けになっていました。
お店の場所と駐車場・アクセス方法について【松阪駅から徒歩10分】

twlvは三重県松阪市中央町に位置し、最寄り駅である松阪駅からは徒歩10~15分ほど。
店舗裏手には専用駐車場も完備されており、車で訪れる場合にも安心。
県内外から訪れるゲストにとって、アクセス性とプライベート感のバランスが絶妙な場所にあります。
ブラックコーデ必須!?予約方法について

twlvは紹介制かつ完全予約制であり、しかも1日1回転の12名限定。
初めての方は、すでに訪れた知人や関係者からの紹介がなければ予約が難しいかと思います。
席数を増やして利益を追求することよりも、訪れるゲスト一人ひとりに最高の時間を提供することを最優先しています。
松阪市という地方に位置しているにもかかわらず、東京や大阪の食通からも注目を集めており、「知る人ぞ知る存在」としてSNSでも話題です。
また、ブラックコーデに協力ということもあり、参加者は全身黒色の洋服での訪問が推奨されているようです。
メニューは固定じゃない?演出に合わせて変わる料理

twlvのコースメニューは一切固定されておらず、その日、その時期、そのゲストのためだけに構成されます。
毎回異なる料理人やチームが監修を務め、独自の世界観を打ち出したメニューを展開しています。
過去には、和食・イタリアン・寿司・フレンチなど幅広い分野からプロフェッショナルが参加。
地元三重で名を馳せる料理人はもちろん、首都圏からのゲストシェフが登場することもあり、訪れるたびにまったく異なる味の旅を楽しめます。
一夜限りの美食エンタメ体験レポート
参加者全員が手持ち花火を点火し、静かな水面に反射する光を楽しむ時間は、食事というより「祭りのはじまり」のような高揚感を演出します。
この日のコースを手がけたのは、「タベルナケンタ」さん。
テーマは“MATSUSAKA GOURMET”。
松阪の三大ブランド食材である松阪牛・松阪豚・松阪鶏を惜しみなく使い、火入れ・香り・構成に至るまで緻密に設計された珠玉のフルコースでした。
生産者との対話──全てが体験型のエンターテイメントとして仕立てられており、単なる食事ではなく、五感で味わう“物語”として、記憶に刻まれるひとときとなりました。
最初に登場したのは、松阪豚のリブロース炭火焼。
厚みのある肉に火が入りすぎないよう、絶妙な焼き加減で提供され、粗塩・わさび・すだちという3種の薬味が添えられていました。
この粗塩は、鳥羽市相差町の海女さんが半年かけて仕上げた完全天日塩で、やわらかくも芯のあるミネラル感が肉の脂に凛とした輪郭を与えてくれます。
次に現れたのは、松阪の鶏焼肉と松阪牛ホルモン。
ここで驚いたのは、目の前に用意された一人一台の七輪。
鶏は、松阪の老舗「だるま」特製の味噌に漬け込まれ、ホルモンは「一升瓶」の味噌を使用。いずれも松阪の食文化を象徴する味です。
「松阪ホルモン」は濃厚な旨みと皮目からパチパチと立ち上る香ばしさを、自らの手で焼き上げることで、より深く記憶に残ります。

お次は、希少部位「くるくる」と呼ばれる松阪豚の肋骨間の肉。
焼くと自然に丸くなる特性からこの名がついています。
今回はホタテのグリルと合わせ、アボカドピューレとセロリ、パプリカなどの角切り野菜でカクテル仕立てに。
滑らかでコクのある口当たりと、野菜のシャキシャキ感が共存し、五感を刺激する構成。

続く錦爽鶏と車海老は、驚きのマリアージュ。
これ詳細は聞き逃してしまったのですが、記憶に残る食感と美味さでした。
目の前でダイナミックに調理が繰り広げられる、ウニと牛肉のクリームパスタは、濃厚さと華やかさを両立させた逸品。
ウニの塩気と牛肉の旨みを包み込み、まるで高級絵画の額縁(謎の表現?)。
肉×雲丹というこれでもかと言わんばかりの逸品で美味しかったです。

twlvの真骨頂は、食材の生産者本人と出会える点にあります。この日は2名のゲストが参加されていました。
まずは、松阪で唯一の白ネギ農家・松嶋さん。警察官から転身しご自身で白ネギのブランドを掲げ、土壌改良に力を注いでいます。
菌を使い、水分保持や根張りを強化しながら、ネギ本来の香りと甘みを引き出す努力を重ねているそうです。

そのネギを使用したのが「白髪ネギの胡麻油和え」。
フレッシュなネギのシャキッとした食感と、ブイヨンで炊いた甘さのあるネギが融合し、ナムルのような親しみある味わいながら、香りのレイヤーが深く、まさに“旨みの層”を感じる一品でした。
続いて、苺農家の金谷氏。レゲエやクラシックを苺に聴かせるという独自の栽培法で知られ、無農薬に近い管理のもと、糖度だけでなく香りの質にもこだわった「よつぼし」を育てています。
その苺を使用したのが「苺豆腐」。
見た目はシンプルですが、塩とオリーブオイルでいただくことで、苺の果肉の酸味と甘さが豆腐のまろやかさと溶け合い、未体験の“甘くないデザート”として成立していました。
松阪豚のヒレカツは、衣の立ち方が素晴らしく、ザクッとした歯触りの奥にしっとりとした赤身の甘さ。
塩で食べると素材の純度が際立ち、ソースでは懐かしさが滲みます。

錦爽鶏のつくねは、軟骨と砂肝がアクセントになり、卵黄と甘辛のタレが絶妙なバランス。
そして、クライマックスは「すき焼き2.0」。
松阪牛の肩ロースをトマトベースの甘酸っぱい出汁で煮込み、チーズとバジルペーストを好みでトッピング。
斬新な組み合わせでしたが、地元である松阪で食べ慣れた”普段の松阪牛”とは異なる風味・旨味の際立ち方で、非常に面白かったです。

最後のデザートは、桃のコンポート、パンナコッタ、シャンパンゼリーを重ねた三層仕立て。
チョコレートでコーティングされたホオズキを添えて、余韻までもが“物語”で締めくくられました。
食後は開演前に待機していたソファ席へと戻り、アイスコーヒーを片手に静かに振り返る時間もありました。
この夜、twlvで味わった料理や出会った人々、語られたストーリーは、どれもが唯一無二。
全国、さらには海外からでも訪れるに値する体験であり、「松阪に行くならtwlvに」と誰かに勧めたくなる理由が、確かにそこにありました。
- 満足度:☆☆☆☆
- 味:☆☆☆☆
- 一言:食のエンターテイメント
twlv様、最高の食事をありがとうございました。
本日も最高のペロペロでした!
twlvに行った感想

twlvは単に「美味しい」だけでは語り尽くせない場所です。
料理・空間・時間、それぞれが緻密にデザインされており、一夜限りのその空間に身を置くことで、人生の記憶に残るひとときを過ごすことができます。
ターゲットは食に強い関心を持ち、物語性や体験性を求める層。
食に熱烈な執着がある人にはかなり刺さる内容と体験だったと思います。
全体を通して、普段の食事では考えない生産者の声、食材に対する想い、調理に対する料理人の考えを自分の目で見て感じることができ、大変貴重な体験をすることができました。
気になる方は、ぜひ私に御声掛けいただければご一緒できればと思います。
ちなみに、手土産でいただいた、斬新な発想でうまれたブラック鯛焼き。
見た目が非常に面白いだけでなく、味も美味でした。
中川社長、ご一緒してくださったカイロさん含めありがとうございました。





















