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【津市】完全予約制の創作フレンチ「黒がね」に行ってきた!ゴ・エ・ミヨジャポンを受賞した山本シェフ|食べた感想・駐車場

公開日:2022年09月23日

こんにちわ、ケンチェラーラです。

三重県津市にある高級レストラン「黒がね」に行ってきました。

津市内では最上級とも言える価格帯のお店で、ディナー・ランチともに完全予約制の予算2万円越え。

「ゴ・エ・ミヨジャポン」というミシュランに匹敵する有名な賞を受賞したシェフが織りなす、フレンチをベースにした創作料理を堪能してきました。

三重の食の魅力がコース料理全体に存分に織り込まれており、まるで県内を北から南まで旅しているような感覚に浸りながら充実の時間を過ごすことができました。

オープンして1ヵ月、早速お店にお邪魔してきたので食べた感想やお店の特徴について紹介致します。

それでは、ペロペロしていきましょう!

お店情報
営業 17:00~22:00
営業(日曜日) 12:00~14:00・17:00~22:00
定休日 月曜日
電話 050-5589-6092
予算 20000円~
場所 三重県津市大門7-15 ホテル津センターパレス
備考 完全予約制・カード可・電子マネー不可
リンク 黒がね 公式Instagram




完全予約制!津市大門にある高級フレンチレストラン「黒がね」とは?

2022年9月1日、三重県津市大門にオープンした「黒がね」

「Hotel 津 Center Palace」を運営する株式会社リオ・ホテルズが経営母体にあたる高級フレンチレストランで、普段では絶対に味わうことができない上質な食と時間を提供するお店です。

お店のコンセプトは「ここにしかない料理と。ここにしかない時間を。」という世の女性全員が惚れそうなロマンチックなもので、三重県の食材をふんだんに使った贅沢な創作料理を楽しむことができます。

完全予約制で予算が高めなので、記念日やプロポーズなど特別な日に重宝すると思います。

当ホテルの総支配人である川口さんは料理の道でも一線を走っていた方とのことで、ホテルを開業する2022年4月に食の界隈で名を馳せていた「山本卓也」さんをヘッドハンティングし、同年9月にお店を開業するに至ったとのことです。

三重の生産者と二人三脚!こだわりの素材で食を表現

山本シェフが表現する料理を一言で表すならば「囚われない発想で三重の食を表現」という言葉がふさわしいでしょう。

四季折々の色を織り込みながら、一品一品に膨大な仕込み時間を惜しむことなく投資しており、仕込みには丸一日かかることも。

料理の食べながらシェフとお話を楽しむと、そのバックヤードに隠れた職人の仕事が垣間見えます。

その一つとして食材の選定には、この上ない拘りがあるとのことで、料理に使用する素材は地産地消を死守。

食で三重の魅力を表現し、世界に発信するという熱い想いが込められており、県内北から南の陸海の幸をふんだんに採用しています。

そして、素材に関しては問屋などを通さずに、県内の生産者から直性仕入れを行っています。

道の駅などで販売している野菜のラベルなどを参考に、生産者に連絡を取り、直接現場の声を汲み取り、自身の目で判断して仕入れを行うこだわりがあるとか。

県内でこれだけ手間暇をかけて仕入れを行っている飲食店は他にはないでしょう・・・。

フレンチが軸となった最高のおもてなし

料理全体を通すとフレンチがベースとなっているので、目の前で豪快な鉄板ショーや握りといった職人技は拝めませんが、フレンチならではの繊細な仕上げ、盛り付けの行程を見ることができるのも魅力の一つ。

舞台裏にある厨房で数日かけて仕込まれた食材を、最高の状態でお客様に提供できるようにお店が開く数時間前から準備を開始。

お店の中央にある鉄板は最後の仕上げに山本シェフが使用し、盛り付けはもう一人の方とピンセットなどを用いて慎重に行っていました。

非常に息の合った盛り付けで、一切の無駄の動きがない様子はフレンチの鏡とも言えますね。

食材以外のこだわり

食器は四日市の万古焼、伊賀焼、美濃焼を中心に使用。お箸は京都、ナプキンは伊勢木綿を使用するこだわりもあります。お店の内装や食器といい、大地の恵みを感じる、どこか力強い表現を感じました。

フレンチの道を長年歩んできたシェフですが、その型にはまらない独自の技法と表現に感動しました。三重県のテロワールドを一皿の上に表現する真剣な眼差しに感銘を受けました・・・。

ゴ・エ・ミヨジャポン2020受賞!店主の経歴について

黒がねの料理長を務める山本卓也さんの経歴が凄いので紹介致します。

出身は滋賀県で、大学を卒業後は営業職としてサラリーマンの道に入りましたが、数年で脱サラし世界中を旅されたそうです。

その際、様々な国の食に触れる中で「自身でも食で表現を行いたい」と考え、帰国後はホテルオークラ京都で武者修行。

料理に関する知識や経験は皆無で、その当時は血の滲むような苦労を重ねられたそうで、人並み外れた努力によって少しずつ料理人としての道を切り開いていったそうです。

その後はホテルオークラ東京、星野リゾート軽井沢や沖縄のオープニングシェフ、福井県の地方創生レストランなどで研鑽を積み、琵琶湖北部にあるオーベルジュ「ロテル・デュ・ラク」のレストラン「ル・ペイザージュ」で一線のシェフとして活躍されました。

ル・ペイザージュではゴ・エ・ミヨジャポン2020を受賞し、料理界隈で一躍有名になられた方です。

ゴ・エ・ミヨジャポンとは?

赤い表紙で「レッドブック」とも呼ばれるミシュランガイドに対し、「イエローブック」と呼ばれるゴ・エ・ミヨはフランス発祥のガイドブックで、日本ではあまり知名度がありませんが、海外ではミシュランと並ぶ影響力をもつ美食ガイドブックです。

これまで日本中でフレンチの一線を走ってきた山本シェフ。三重県の食を日々勉強しながら、27歳~44歳の料理の世界で習得した技術をもとに、これからも独自の表現を追求していく姿に感動しました。人相やオーラからもプロとしての迫力を感じました。

お店へのアクセスと駐車場について

お店は津市大門のホテル津センターパレスの2階にあります。

以前は都ホテルがあった場所なので、ご存知の方が多いとは思いますが、すぐ隣に蜂蜜まん本舗があるので目印にしてくださいね。

津駅からは車で5分ほどで、津新町駅からは徒歩15分ほどで到着します。

駐車場はホテルの裏手にあるフェニックス通りの立体駐車場を利用するとよいでしょう。

店内の様子は?

お店の入り口はホテルのフロントを通り過ぎて、直ぐの場所にあります。

店内はカウンター6席、個室が5室の計26席。

シェフとの会話を楽しみたい方はカウンター席、密会などの場合は個室を予約するようにしましょう。

お店全体として凛とした雰囲気で、店内の装飾なども非常に洗練されており、なかなか大人な感じ。

大門は夜の街ということで、お姉さんを連れた叔父様には最高の隠れ家となるでしょう。

店員さんは清潔感のある男性が3名ほどで、常に後ろで食事の様子を見守っていてくれる絶対的な安心感。

純に食事を楽しみたい方は、カウンター席を推奨します。

 

黒がねのメニューを紹介

  • ディナー(20000円)※前日正午までに要予約
  • ランチ(10000円)※2日前までに要予約

ランチは1万円で6品のコース、夜は2万円で13品のコースの一本勝負。

ヨーロッパを中心とした各国の厳選ワインも嗜むことができ、近年流行りのオーガニックワインも取り揃えています。

お店で提供する料理は、俗に言う「イノベーティブ・フュージョン」というジャンルのもので、フレンチをベースとした和食、洋食、中華といった既存のジャンルにとらわれない国籍を超えたクリエイティブな料理ですね。

メニュー表には、三重県の食をツーリズムする形で、それぞれの産地が書いてあります。

食事は20000円~30000円程度の予算と、かなりハードルは高め。

お酒を嗜むならセンターパレスホテルに宿泊していくのも一つでしょう。最高の食事を堪能した後は津市街の夜景を眺めながらゆったり・・・なんて贅沢なことでしょう。

今回食べたものを紹介!

今回はプリセンスシンデレラ様ミカ様とご一緒させていただき、お店にお邪魔してきました。

今回は夜の2万円のフルコースで、3人で貸切空間を贅沢に堪能してきました。

入店から退店までその接客は一流そのもので、食だけでなく場作り、お客さとの距離など流石の一言に尽きました・・・。

コース料理は季節や仕入れ状況によって変化しますが、今回いただいた料理について食レポをさせていただきます。

早速、ペロペロしていきましょう!

オードブル

さて、最高のショータイムの始まり。

まずはウェルカムオードブルということで、メニューには未記載のタルト。

水沢町のかぶせ茶も一緒に提供され、食前の胃袋のウォーミングアップ。

タルトの素材はトマト、キュウリのマリネが上部にのっており、下部にはスモークしたモッツアレラチーズ。

記事はカリカリと硬めの印象で、モッツアレラチーズから燻製の香り高い風味。

トマトの甘味、きゅうりの酸味が絶妙にマッチして、チーズで統一感を再現。

季節によって使用する野菜を変化させていくそうです。

鰆・茄子

鰆と茄子。

食器は大地の荘厳さを感じる重厚感のあるもので、お店の開店に合わせて、美濃地方で新調したそうです。

答志島で獲れた鰆は、赤ワインと蜂蜜に漬け込んで少し寝かせたもので、表面に炭でサッと火入れを行い、炭の香をふわっと纏ったもの。

細胞レベルで味が染み込んでおり、素材の良さを活かしながら赤ワインの上品なテイストも。

半生の状態の身で、茄子と白ネギを使った自家製タルタルソースとの相性も素晴らしかったです。

伊勢湾は今年は水温が高く、伊勢湾のサワラは脂が乗り切っていないとのことですが、申し分ないくらい贅沢な脂分でした・・・。

 

大西さんの豚バラ

久居の大西畜産の豚を使用した炙り。

大西畜産は津市久居明神にあり、昭和から長年養豚業を続ける三重の超有名養豚場。

こだわりが多いことから「頑固おやじの豚」の愛称で親しまれており、食の界隈ではかなり名を馳せています。

しっかりと下味を付けて寝かした豚バラ肉を、サッと鉄板で火入れ。

その後は表面にじんわりと炭の香を。

付け合わせは塩レモンの粉で、右には黒ニンニクも。

肉質は塩漬けにして、しっかり無駄な水分を抜いた印象で、コショウの味がしっかり。

焼き上げてから、無駄な脂身はカットして、真に上質な部位のみをお客様に提供する徹底ぶり。

 

おしらせ

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車海老

松阪市場から仕入れた車海老とトレビス。

車海老は串に刺して、6匹を約5分程度加熱。

6匹加熱して、シェフが選別して我々に提供されるのは3匹のみ。

本音を言えば「それも食べたい」と声を大にして言いたいが、フレンチということもあり、ビジュアルは絶対重視である。

グッと我慢して、丁寧に盛り付けられた料理を鑑賞。

トレビスはヨーロッパでよく食べられる野菜で、肉料理の付け合わせなどでよく見かけます。

日本ではあまりメジャーではありませんが、最近では国内でも栽培されるようになりました。

もちろん、黒がねではそのまま提供するのではなく、シソのジュースにしっかり漬け込んだトレビスを鉄板で火入れ。

海老はしっかりと甲殻類の香りが残るもので、プリッとした食感。

トレビスが咀嚼するとジュースのようなシソ汁が噴き出してくるので、なかなか存在感が強かったです。

赤烏賊

松阪市場から仕入れた赤烏賊。

赤烏賊の旬は7月から9月の間と言われ、まさに旬の海の幸。

焼き目は片面のみで、こちらも半生という山本シェフらしい火入れ。

アオリイカほど甘味や旨味は強くない印象ですが、加熱してもしっかりとした柔らかさを残す逸品。

ホワイトソースも烏賊がベースで非常に手間暇がかかっているのでしょう。

ソースやお皿の温度管理の細部に至るまで、プロの仕掛ける食には抜け目がありません。

文句なしの美味さでした。

赤鶏もも

これまで食べた鶏肉で最も感動した赤鶏もも。

伊勢地鶏を使用し、上質なもも肉を皮で巻いたものを、炭火でじんわり加熱。

食材を最大限活かすために火入れには細心の注意を払い、大ぶりの味付け卵黄をドカンとトッピング。

鶏の風味、旨味、甘味といった全てを柔和させ、独特のプリッと食感を実現。

どうやったらこのような食を表現できるのだろうかと思料しながら、咀嚼を進めると無限に広がる鶏ワールド。

若干の塩気を感じさせながらも、しっかりとしたモモ肉の存在感。

山本シェフの五感を使って仕上げを行っている姿に心を打たれるケンチェ飯。

 

バターナッツ

津市河芸で収穫されたバターナッツを使用したお口直しの一皿。

カボチャの種をしっかり液状にしたものをベースに、上部に牛乳をバターナッツの煙で燻製にしたものとフルーツと・・・いくら!

濃厚なバターナッツの風味を楽しみながらも、フルーツの清涼感も感じられ、咀嚼するとプチッといくらが弾ける遊び心も。

口の中で香りが躍り出す印象で、コース全体を俯瞰してしっかりと一役を担う料理として組み入れられている印象。

素晴らしい。

鱸・蛤

伊勢湾で獲れた志摩産の鱸とハマグリ。

鱸は仕入れたらすぐに、液状の野菜汁に漬け込んでいるそうで、きゅうりなどの野菜の風味を若干纏った珍しい魚料理となっています。

魚体は驚くくらいプリプリの食感で、握りの世界では再現できない山本シェフならではの技巧が凝らしてありました。

蜆や蛤をベースにとったソースに関しても風味のチェックや温度管理を怠ることなく、抜け目のない仕事。

あまりに美味しかったので、ついお茶漬けにして食べたくなりました。

下品ですが、器を持ち上げて完飲したくなりました・・・。

松阪牛

さて、個人的にメインディッシュにあたる松阪牛。

最高級のコースということで、一人あたり約80gのサーロインステーキ。

目の前でファイヤーショーが繰り広げられるのかと思いきや、フレンチということもあり、既に完成された肉塊がやってきました。

焼き方が独特で、牛脂でサーロインを包み、強火で火入れを行うそうです。

直接遠赤外線を当てないことで、肉繊維の断裂を防ぐだけでなく、旨味を閉じ込める効果が高いのでしょう。

初めて目にした光景だったので、衝撃が走りました・・・。

付け合わせはフィンガーライム、辛子、黒胡椒の3種類で、肉はレアに見えて、じんわり火が通っている代物。

フィンガーライムはプチッと食感があって、肉との相性が良い香りでした。

サーロインですが、赤身の風味や旨味が強いもので、後追いするように上質な脂の旨味が広がる印象。

仔牛ではなく、数年育てた松阪牛を採用しているので、締まりが強め。

とにかく美味しかったです。

伊賀米

ケンチェ飯も個人的に訪れ、購入した経験がある、伊賀焼の名釜元である永谷園の土鍋で炊き上げたご飯。

土鍋の蓋を開けると爆発するように広がる節、しらすの香り。

ふっくらと炊き上げられた伊賀米は、この上ない上質なもので、この土鍋で炊いたものは本当に別格の美味さになります。

葱のシャキシャキ食感をアクセントに、そして、お替りまで・・・。

帰り際には余った御飯でおにぎりを拵えてくださり手土産をいただきました。

フレンチがベースのコース料理ですが、最後は日本人の嗜好を的確に捉えて御飯で〆る、山本シェフの柔軟な姿勢と考え方。

この常識に囚われない食の表現・・・惚れてまうやろ!

チーズ

ワインを注文した方限定で提供されるチーズ。

こちらは滋賀県の古株牧場のものを使用し、ブルベリーと一緒にいただきます。

適度な菌臭さがあって、赤ワインが欲しくなる一皿でした。

 

桃・レモン

デザートは桃果肉を使ったもので、レモンのシャーベットの清涼感がコース全体を〆てくれます。

桃は食感が強く、エディブルフラワーが彩りにアクセントを。

最後の最後まで、とにかく美しい・・・。

お菓子・珈琲

食後の一服は、水沢のほうじ茶、または富士珈琲のコーヒーから選択。

焼き菓子は直前に厨房で焼き上げたもので、表面はカリッとしていて、結構バターが効いていました。

時間配分といい、このお菓子のクオリティだけで一つの店舗を構えてもおかしくない一品。

最後は甘物でしっかりと緒を締める感じ、良き。

  • 満足度:☆☆☆☆
  • 味:☆☆☆☆☆
  • 一言:人生で一度は食べる価値あり

黒がね様、最高の食事をありがとうございました。
ごちそうさまでした!




黒がねに行った感想

株式会社リオ・ホテルズの川口総支配人、川村支配人にお声掛けいただき、今回は貴重な食事を楽しんできました。

山本シェフの生き様や考え方など、コース料理を通して少し覗けたような気持になり、私も執筆しながら色々と内省しています。

コース料理全体を通して、まさに三重県の旅しているような気分になり、気が付くと独自の表現の世界に引き込まれていました。

誰がなんと言おうとこだわりと想いが凝縮した一皿一皿、しっかりと記憶に焼き付けることができ大満足です。

執筆時間:約8時間、文字数:7116文字、本日も最高のペロペロでした!