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滋賀・雄琴の名店「近江懐石 清元」で味わう──四季と心が響き合う日本料理

公開日:2025年10月12日

新鮮な海鮮料理

こんにちは、ケンチェラーラです。

滋賀県・大津の雄琴温泉に、創業112年を誇る老舗料亭「近江懐石 清元」があります。

琵琶湖の恵みを受け継ぎ、地元の食材だけで構成される懐石料理は、“滋賀のガストロノミー”を象徴する存在です。

本記事では、そんな清元の料理哲学から季節の献立、店内の雰囲気、実際の食体験、アクセス情報までを徹底的に紹介します。

滋賀を訪れるなら一度は足を運びたい「食の聖地」を、取材目線で丁寧に紐解いていきます。

読むほどに、きっと「近江懐石 清元」に行きたくなるはずです。

それでは、ペロペロしていきましょう!

お店情報
営業 11:30 – 15:00(L.O. 14:00) / 17:30 – 21:30(L.O. 20:30)
定休日 水曜日(※月に1回不定休あり)
電話 077-578-1340
予算 昼:¥6,000〜¥7,999 / 夜:¥6,000〜¥7,999
場所 滋賀県大津市雄琴6-1-35(JRおごと温泉駅より徒歩15分)
席数・個室 総席数94席・個室あり(4名~8名、ほか中・大部屋あり)
駐車場 専用駐車場 20台(無料)
予約・サービス料 予約可・個室利用時はサービス料10%
リンク 公式HP




清元を語るにはまず知っておきたい、近江懐石 清元の創業と料理哲学

威厳を感じるお店の看板

滋賀県大津市・雄琴温泉に店を構える「近江懐石 清元」は、創業から112年を誇る老舗料亭です。

琵琶湖の川魚を使った料理旅館として始まり、五代目主人・清本健次氏の代で「近江懐石」という新たな日本料理の形へと進化しました。

2005年には旅館から懐石専門店へと生まれ変わり、伝統を守りながらも現代の味覚に寄り添う懐石を提供しています。

清本氏は「近江でしか味わえない料理」を信条とし、すべての食材を滋賀県産に限定しています。

琵琶湖の固有種である琵琶鱒やもろこ、天然うなぎ、日本三大和牛のひとつ・近江牛、高島の無農薬野菜など、選ぶ素材すべてに理由があります。

生産者や漁師を直接訪ね、食材の背景を知ったうえで調理する姿勢は、まさに地産地消の理想形です。

清本氏は日本庖丁道清和四條流の宗家として、式包丁の伝統を継承する数少ない料理人です。
「味は心、技は魂、料理は感性」という信念のもと、伝統と革新を融合させた懐石を生み出しています。
清元の一皿には、百年を超える歴史と職人の精神が息づいています。

滋賀 日本料理として描く季節の食体験

キレイに盛り付けられた料理

清元の魅力は、滋賀の四季をそのまま料理に映し出している点にあります。

春には山菜や筍、夏には鮎や琵琶鱒、秋には松茸や近江米の新米、冬には天然すっぽんや滋賀野菜を使った鍋料理など、旬の食材が主役です。

献立は月ごとに変わり、その時期にしか味わえない味覚を楽しむことができます。

特に印象的なのは、琵琶湖の淡水魚と近江牛を組み合わせた懐石です。

湖と山、両方の恵みを一つのコースで堪能できるのは、まさに滋賀ならではの贅沢といえます。

淡水魚の繊細な味わいを引き立てるため、清元では丁寧な血抜きや下処理を施し、雑味のない澄んだ旨味を実現しています。

滋賀の懐石を語る上で欠かせないのが、料理と地酒・ワインの調和です。
酒蔵「松の司」や「七本槍」の純米酒、浅柄野ワイナリーの琵琶湖ワインなど、地元で育まれたお酒が懐石の味を引き立てます。
食と酒が共鳴するこの“地産地消の完成形”こそ、清元が描く日本料理の真髄といえるでしょう。




滋賀・大津からのアクセス方法と駐車場のご案内

お店の外観

清元は、JRおごと温泉駅から車で約5分の場所にあります。

駅からタクシーで向かうとスムーズで、運転手に店名を伝えれば迷うことはありません。

琵琶湖沿いの国道161号線からも近く、観光途中の立ち寄りにも便利です。

店舗前には10台ほど停められる広い駐車場があり、法事や慶事、団体利用にも対応しています。

比叡山延暦寺や琵琶湖テラスなど観光地へのアクセスも良く、観光と食事を兼ねて訪れる人も多いそうです。

静かな住宅街に佇む落ち着いた環境で、滋賀らしい穏やかな時間を楽しめます。

個室・和モダン・白木空間──店内の様子

木の温もりを感じるカウンターテーブルと食前酒

白木の香りが漂うカウンター席、庭園を望む個室、数寄屋造りの座敷など、店内はどこを見ても“和の静寂”が息づいています。

磨き上げられた木の艶や障子越しの柔らかな光が、訪れる人を穏やかな気持ちにさせてくれます。

窓の外には雄琴の山々と琵琶湖の光が広がり、時間がゆっくりと流れるような心地よさです。

四季によって表情を変える景色を眺めながら、滋賀ならではの季節感を味わうことができます。

料理だけでなく、空間そのものが五感を癒す特別なひとときを演出しています。

心を落ち着かせながら過ごすその時間は、まさに“もう一つの懐石”とも呼べる至福の体験です。

懐石料理のメニューとコース構成を徹底紹介

水色が鮮やかな器に入っている蓋物

清元では、¥5,000から¥22,000程度の懐石コースが用意されています。

ランチ限定の「花懐石」は滋賀の旬を楽しむ入門編で、人気の「近江牛懐石」は肉料理を中心とした構成です。

最上位の「極懐石」では、琵琶湖の天然鰻やすっぽんなど、滋賀の極みを堪能できます。

どのコースも内容と価格のバランスが絶妙で、どなたにも満足していただける内容です。

懐石料理の魅力を五感で伝える、清元での実食レポート

先附

◆胡麻豆腐 じゅんさい添え──とろりとした口溶け、涼やかな余韻

先附の胡麻豆腐は、滑らかな口当たりと深い胡麻の香りが印象的です。やさしくとろける食感の中に、濃密な風味がじわりと広がり、じゅんさいのぷるんとした食感がアクセントに。

まるで初夏の湖畔に吹く風のような、涼やかな一品でした。

前菜

◆川魚の煮物・ハモ・粽寿司──清元の真髄を感じる品々

丁寧に盛り付けられた前菜の小鉢からは、料理人の美意識と季節への敬意が感じられます。

川魚の煮物は、しっとりとした身に淡い甘みが染み込み、骨までやわらかく炊かれています。琵琶湖の恵みを生かした優しい味わいに、自然と心がほぐれます。

湯引きされた鱧は、ふわりとほどける食感とともに、梅肉の酸味が爽やかに香ります。粽寿司は一口サイズながらも存在感があり、柿の葉の香りがふわっと鼻をくすぐり、食べる前から楽しませてくれました。

椀盛

◆お吸い物──出汁の力に感動

椀物からは蓋を開けた瞬間に、芳醇な出汁の香りが立ち昇ります。

透明感のある吸い地は、まさに職人の手仕事の結晶。口に含んだ瞬間、昆布と鰹の旨味がふわっと広がり、舌に余韻を残しながら静かに消えていきます。

余計な味が一切なく、雑味を感じさせない清らかな美味しさに、思わず背筋が伸びました。

造り

◆お造り──サクラマスの繊細な旨味が際立つ

お造りの主役は、琵琶湖で育ったサクラマス。脂の乗りがちょうど良く、舌の上でゆっくりと溶けていくようななめらかさです。

鮮度は言わずもがな、噛むたびに甘みが広がり、醤油を少し添えることで素材の良さが一層引き立ちます。

器や盛り付けにも季節感が宿り、目でも楽しませてくれる一皿でした。

◆その他料理──まるで“食べる芸術作品”

焼物、強肴、蒸物、蓋物……どの料理もまるで日本画のように、美しさと秩序を感じさせる構成でした。

特に焼物の皮目はパリッと香ばしく、噛むと中から旨味が溢れます。強肴では近江牛の火入れが絶妙。

一品一品にストーリーがあり、会話を交わしながらゆったりと味わう時間そのものが贅沢に感じられました。

全体を通して感じたのは、「五感で味わう懐石」の真髄です。

器の美しさ、香りの立ち方、食感のコントラスト、そして地元食材への深いリスペクト──どの要素も完璧に調和しており、食べ終わる頃には心まで満たされていました。

まったりと食を楽しみたい大人の時間に、まさにぴったりの名店です。

  • 満足度:☆☆☆☆
  • 味:☆☆☆☆
  • 一言:空間と川魚の料理が素晴らしい。

近江懐石 清元様、最高の食事をありがとうございました。
本日も最高のペロペロでした!